Jung Saem Mool
韓国に「引き算メイク」を教えたアーティスト
「グラススキン」が世界的なトレンドワードになるずっと前から、韓国映画や広告の現場でその理論を一人静かに磨き上げていた人物がいる。メイクアップアーティスト、チョン・セムル(Jung Saem-mool)だ。30年以上にわたり韓国トップスターの顔を手がけてきた彼女は、2015年、ようやく自分の理想通りの処方・質感・カラーを形にするため、自身のブランドを立ち上げた。それが JUNG SAEM MOOL(通称JSMビューティー)。コンセプトはただひとつ、「メイクは顔を隠すのではなく、素の魅力を引き出すもの」。厚塗りのコントゥアリングも、粉っぽいカバー力も使わない。肌が肌らしく見える、それでいて少し落ち着いて均一な肌へ。ブランドはこの哲学を「Find Youtiful(You+Beautiful)」と呼び、韓国国内はもちろん海外でも信頼されるK-ビューティーブランドへと静かに成長してきた。
実際に買うべきアイテムたち
JSMのラインナップは、チョン・セムル自身のメイクアップ理論に基づいていくつかのカテゴリーに絞られている。
- エッセンシャル スキンヌーダークッション — ブランドの代名詞であり、Olive Youngで常にベストセラー入りする看板商品。厚塗り感がなく肌に自然に重なり、シェード展開も幅広い。うるおい重視の「スキンヌーダー」とテカリを抑える「ロングウェア」の2タイプ。
- エッセンシャル ムール スキンケアライン — トナー、セラム、クリームのシンプルな3ステップ。メイクの土台をしっかり整えることで、メイク自体の負担を減らす発想。
- チーク&リップ — ふんわり血色感のクッションチークと、バームのような質感のリップティント。「うるうる、あえて盛らない」唇を叶える。
- Salon.zip(サロンジップ) — 清潭洞の名門サロンの技術をベースにしたヘアケアライン。
- JSM Kids — 子ども肌にやさしい、ミニマルなキッズライン。
韓国の美意識を変えた、伝説のメイク
チョン・セムルの転機は2001年。映画『猟奇的な彼女』でチョン・ジヒョンに施したメイクだった。当時の韓国は濃いスモーキーアイと太いアイラインが主流。そこで彼女は真逆の方向へ進んだ——素肌感のある肌、自然に整えた眉、ほとんど何も塗っていないような唇。この一つのルックが、韓国スクリーンにおける「美しさ」の定義そのものを塗り替え、今や世界的に知られるK-ビューティーのナチュラルメイクムーブメントの原点となった。以来、ソン・ヘギョ、キム・テヒ、イ・ヒョリ、BoAなど韓国を代表するスターたちを手がけ続け、どの製品にも変わらぬ「肌を活かす」DNAが息づいている。レッドドット・デザイン賞、iFデザイン賞、Allure Best of Beauty受賞という実績も、流行を追いかけるだけの新興K-ビューティーブランドとの違いを際立たせている。
ソウルで買うべき理由
JSMは韓国では単なる「棚に並んだブランド」ではなく、一つの体験そのもの。ソウルには2つのフラッグシップストアがあり、専属アーティストによるクッションのカラーマッチングや1対1メイクレッスンを受けられるほか、まるでアートギャラリーのような空間を楽しめる。シェード展開や限定セットも、海外店舗よりソウルの方が圧倒的に豊富。
価格帯
スキンケアの基本アイテムは約20,000〜45,000ウォン(約2,200〜5,000円)、リップやチーク製品は約18,000〜32,000ウォン(約2,000〜3,500円)、看板商品のクッションファンデーションは約45,000〜65,000ウォン(約5,000〜7,200円)ほど。
ソウルでの購入場所
- JUNG SAEM MOOL PLOPS(ガロスギル フラッグシップ) — ソウル特別市江南区新沙洞、狎鴎亭路12キル40。ブランド最初の旗艦店で、テーマの異なる3フロアとルーフトップ「コスメティックガーデン」が特徴。Naver map
- JUNGSAEMMOOL 101 Seongsu(第2フラッグシップ) — ソウル特別市城東区練武場キル101。より新しくトレンド感のある空間で、メイクタッチアップ体験や予約制の1対1クラスも。Naver map
- ソウル各地の オリーブヤング(明洞、弘大、江南など)や、主要百貨店のコスメフロアでも幅広く取り扱い。
Website: https://www.jsmbeauty.com/
Instagram: @jsmbeauty_
Photo: @jsmbeauty_